トイレつまりの直し方を詳しく解説!原因別の自分でできる解消法
水道関連ではよくあるトラブルのひとつ、「トイレのつまり」。
慌てて水を流したり無理にラバーカップを使ったりすると、状況を悪化させてしまう可能性があるため、注意が必要です。
トイレ詰まりは、原因によって対象方法が異なります。
適切な対処法を知っていれば、自分で解決できる場合も多くあります。
本記事では、トイレの詰まりを解消する具体的な方法と、詰まりを予防するために、
・つまりの原因
・自分で直すことができるかどうか
・自分でできるトイレつまりの直し方
・業者への依頼が必要な場合
・トイレつまりを予防する方法
以上、5つのポイントに分けてご紹介します。
トイレがつまる原因について
トイレがつまって流れなくなった時には、まず原因を把握・特定することが非常に重要となります。
トイレつまりの直し方は簡単にできるものから業者の介入が必要なものまで多数の手法がありますが、どの方法を選んでも良いわけではありません。
つまりの原因に合わせて適切な解消方法を選択して対処する必要があるのです。
もし間違った対処方法を行ってしまった場合は、トイレのつまりが直らないどころか、便器から水があふれてしまったり排水管を破損させてしまったりするなど、症状が悪化する可能性もございます。
トイレの詰まりトラブルは、大きく分けて3つの原因によって発生します。
「異物や水に溶けにくい物による詰まり」、「トイレの水量が少ない」、「尿石が蓄積している」このいずれかに該当することがほとんどです。
それぞれの内容について、以下で詳しく解説します。
トイレつまりの原因①異物や水に溶けにくい物が詰まった
トイレつまりの原因でもっとも多いのが、異物や水に溶けにくい物によるつまりです。
異物や水に溶けにくい物がトイレに詰まってしまった場合、原因物質を回収することで詰まりが解消されます。
つまりの位置が排水管の奥になるほど原因物質の回収が困難になるため、水を流さず出来るだけ早く回収するのが基本的な直し方と言えるでしょう。
トイレつまりの原因となる異物・水に溶けにくい物は、例として以下の物が挙げられます。
トイレットペーパー・その他の紙類
トイレットペーパーは水に溶けると表現されることが多いですが、実際には溶けることはありません。
トイレを流すと、水中でトイレットペーパーを構成する繊維は攪拌されてバラバラになります。
そのため溶けるように見えますが、実際には細かくほぐれているだけなのです。
大量のトイレットペーパーを一気にトイレに流してしまうと、繊維がほぐれずに詰まることがあります。
水に流せるタイプの掃除用シートや除菌シートも同様で、実際には溶けないため、大量にトイレに流してしまうと詰まりの原因となることがあります。
また、「水に溶ける」、「水に流せる」と記載されていない紙類は、水中で攪拌する性質を持たないため、トイレに流してはいけません。
ティッシュペーパーやキッチンペーパー、除菌用のウェットティッシュ、赤ちゃんのおしりふきなどは、トイレに流すと詰まってしまう可能性が高いのです。
生理用品・おむつ・尿もれパッド
生理用品、紙おむつ、尿もれパッドなど吸水性ポリマーが使われている製品をトイレに流してしまうと、配管の奥で膨張して詰まりを引き起こすことがあります。
吸水性ポリマーは水分を吸収すると膨張する性質を持っており、大量の水分を含むと体積が2~3倍以上になることもあります。
そのため、生理用品、紙おむつ、尿もれパッドはトイレに流さず使用後はゴミ箱に捨てるようにしましょう。
もしあやまって流して詰まってしまった場合、自然に直る可能性は非常に低く、症状が重症化することが多いため、早急に回収する必要があります。
ペット用のトイレ砂・猫砂
猫を飼っているご家庭では、猫砂によるトイレつまりが起きることがあります。
ペット用のトイレ砂は水分を吸収すると固形化する性質を持っており、生理用品や紙おむつの吸水性ポリマーと近い性質です。
そのため、トイレに流せるとうたっているペット用トイレ砂・猫砂でも、大量に流すと詰まりを引き起こす可能性があります。
基本的には「水に流せる」ペット用トイレ砂・猫砂であってもトイレには流さない方が良いでしょう。
その他の異物
上記以外でも、残飯や消費期限が切れた飲食物、トイレットペーパーの芯、ビニール袋なども、トイレに流すと詰まりの原因となります。
また、意図しない物をトイレに落としてしまい、流れて詰まることもあります。
例として、スマートフォン、メガネ、ボールペン、財布、使い捨てのカイロ、ハンカチ、タオル、腕時計、パスケースなど。
服のポケットから落ちた物がトイレにつまってトラブルになることは少なくないため、注意するようにしましょう。
トイレつまりの原因②トイレの水量が少ない
トイレを流すときに、流すための水の量が少ないと排泄物やトイレットペーパーがく流れ切らず、トイレがつまることがあります。
注意が必要なのは過度な節水で、節水のためにトイレのタンク内に水を入れたペットボトルを入れたり、大便時にも「小」または「eco」で水を流したりすることは、トイレつまりの原因になりかねません。
また、節水をしていなくても水の流れの勢いがない場合は、タンク内の部品に不具合が起きている可能性もあります。
トイレつまりの原因③尿石が蓄積している
尿に含まれるタンパク質や尿素やリン酸カルシウムは、雑菌の酵素による影響によって変化し、固形化して尿石となります。
尿石は便器のフチでよく見られる黄ばみで、便器の奥や排水管にもこびりつきます。
長期間にわたって放置された尿石は硬化・堆積するため、トイレつまりの原因となるのです。
トイレのつまりは自分で直すことができる?
トイレ詰まりの直し方は、ご家庭にあるものを利用して自分で出来る簡易的なものから、業者による本格的な処置まで様々な方法があります。
原因によってトイレつまりの直し方は異なりますので、まずは自分で直せるか業者対応が必要かどうかを見極めましょう。
自分でトイレつまりを直せる可能性があるケース
トイレつまりを自分で直せる可能性があるのは、「トイレットペーパーや排泄物が詰まった」場合と、「つまりの原因物質が取り除ける状態」である場合です。
トイレットペーパーや排泄物は水分に触れると繊維が崩れやすくなるため、時間が経てば自然に崩れて流れる可能性があります。
水が少しずつ流れているのであれば、詰まってから3時間以内を目安として様子を見ても良いでしょう。
3時間ほど経過しても詰まりが直らなければ、業者を呼ぶことをおすすめします。
固形物を流してしまった場合、自分で異物を回収することができるのであれば、業者を呼ばずに詰まりを解消できる可能性があります。
詰まっている場所が便器内や排水管の手前などであれば、回収は比較的簡単にできるでしょう。
ただし、ご自身でトイレの異物詰まりを直そうとして、症状を悪化・重症化させてしまうケースは少なくありません。
そのため、異物をすぐに回収できない状況であれば、修理業者に依頼するようにしましょう。
業者の対応が必要なケース
トイレつまりを直すのに業者対応が必要となるのは、「水に溶けない物がトイレに詰まった」、「つまりの原因が不明」、「自分で直そうとしたけど直らなかった」などの場合です。
基本的には、トイレットペーパーや排泄物以外の異物がトイレに詰まった際は、出来るだけ早い段階で修理業者に依頼するのがおすすめかつベストな対応となります。
詰まりの位置が配管の奥になるほど修理作業が複雑化・大掛かりとなり、修理費用も上がります。
そのため、詰まりの位置が浅いうちに異物を取り除いた方が、修理費用は安く済むのです。
もし詰まりを放置した、無理やり詰まりを取り除こうとした場合は、異物が排水管の奥に押し込まれて詰まりが重症化することがあります。
状況によっては排水管やトイレの接続部に亀裂が入る、トイレ自体が故障することもあるため、つまりが簡単に直らない、原因がわからないなどの場合は、できるだけ早く水道修理業者を手配するようにしましょう。
自分でできる!トイレつまりの直し方
トイレつまりの直し方②重曹やお酢を使って流す
重曹とお酢の化学反応を利用して、詰まりの原因となる汚れを分解する方法です。
排泄物や尿石に対する洗浄効果が期待できます。
材料は、重曹(計量カップ4分の1)、お酢またはクエン酸(計量カップ2分の1)、お湯(40~50℃、便器内の水位が半分程度になる量)の3つ。
まずトイレの排水口に重曹をふりかけて、次にお酢またはクエン酸を入れ、最後にお湯を入れます。
重曹やお酢(クエン酸)は量が多すぎると泡が大量に発生して溢れるため、大量に投下しないでください。
頑固な詰まりの場合は効果が薄いため、1時間~1時間半ほど経過しても詰まりが直らなければ、別の方法を試すか業者を呼ぶようにしましょう。
トイレつまりの直し方③ラバーカップ(スッポン)を使う
ラバーカップ、いわゆるスッポンを使用した詰まりの解消方法です。
市販のラバーカップは、「和式トイレ・排水口用」・「洋式トイレ用」・「節水型トイレ対応のツバ付き型」の3種類あります。
ご自宅のトイレの形状に合わせてラバーカップ(スッポン)を選ぶようにしましょう。
ラバーカップを使用する際は、まず準備から行います。
周辺に汚水が飛散したり溢れたりすることがあるため、周囲をビニールシートなどで養生しましょう。
便器内の水位の量にも注意が必要で、ラバーカップのゴム部分が浸かるように調節します。
水が多い場合は水位が便器の上面から約10cmほどになるように水をくみ取り、水位が低すぎる場合はバケツなどで水を足してください。
準備ができたらラバーカップをトイレの排水部分に密着させるように当てます。
カップ内の空気を排水口に押し出すようにラバーカップを押し込み、異物を吸引するように勢いよくラバーカップを引いて、水が排水されるようになるまで押し引きを繰り返します。
汚水が流れたらラバーカップを取り出し、バケツから水をゆっくりと便器内に流して、排水されるか確認します。
この時、バケツ内の水を流す前にタンク内の水を流さないようにしてください。
もし詰まりが解消されていなかった場合、汚水が逆流して溢れてしまう恐れがあります。
トイレつまりの直し方④真空式のパイプクリーナーを使う
真空式パイプクリーナーはラバーカップよりも吸引力と押し下げる圧力が強く、トイレや排水口の強固な詰まりの除去に役立つ道具です。
ラバーカップは強い力で押し引きする必要がありましたが、真空式パイプクリーナーはそれほど力を掛けなくても十分な効果があります。
使い方はラバーカップとほぼ同じで、まずは水に浸かった状態になるように便器内の水位を調節。
パイプクリーナーのゴム部分を排水口に密着させ、レバーの押し引きによって異物を吸引します。
数回レバーの押し引きを行い、詰まりが解消されて水が流れるようになったら、バケツから水をゆっくり流してきちんと排水されるか確認してください。
トイレつまりの直し方⑤ワイヤーブラシなどの道具を使う
ワイヤーブラシは柄を回すことでトイレつまりの原因を細かく削る、もしくはブラシの先端部分を詰まりの原因に引っかけて取り出すといった使い方をします。
トイレットペーパーや排泄物、食べ残し、嘔吐物、ペット用のトイレ砂などがつまりの原因であれば、ワイヤーブラシを使うことで解消できる可能性が高いです。
固形の異物がトイレに詰まった場合はワイヤーブラシでは解決できないため、別の方法を試すか業者を呼びましょう。
ワイヤーブラシはヘッド部分が金属製コイル状、樹脂製ブラシ状など種類がいくつかあって、詰まりの原因・固さなどに合わせてヘッドを選びます。
また、専門業者が使用するワイヤーブラシは長さが15m以上ある製品もありますが、慣れていないと扱いが難しく、配管の損耗やワイヤーブラシそのものが詰まってしまうなど別のトラブルを引き起こす心配もありますので、一般家庭で使用する場合は5m以内のワイヤーブラシを選ぶと良いでしょう。
ワイヤーブラシを使う時は、ブラシのヘッド部分を便器の排水口に入れて、詰まりに当たったら柄を回して汚れを少しずつ削り取ります。
この時、詰まりが更に奥に入り込んでしまうことを避けるため、無理やりワイヤーブラシを配管内に押し込まないようにしましょう。
トイレつまりの直し方についてのまとめ
今回はトイレつまりの直し方について、ご紹介しました。
トイレが詰まった時は、原因によって自分で直せるか業者を呼ぶか、どのような方法で対処するかなどが変わるため、まずは何が詰まったかを把握することが大切です。
水に溶ける物が詰まった場合は自分で対処できる可能性があります。
水やお湯、重曹とお酢、ラバーカップなどを使って、状況に応じた方法を試してみてください。
詰まりがひどい場合や自分で解消できない場合は、早めに専門の修理業者に相談することをおすすめします。
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